最初は、怖かった。
入職して最初の半年は、患者さんを診るのが怖かった。とりわけ研修医が前面に立つ救急外来には、入るのが億劫なくらいだった。
「何かあったらどうしようと。患者さんもどんどんたまっていくし…」
それが楽しいと思えるようになったのは一年目の年明けごろだった。
「僕が診ている患者さんについて、上の先生に相談するわけです。この患者さんはこうだと思うんですけど、どうしましょうか? と。それが、その通りでいいよって、だんだん一致するようになってきて」
自ら判断し、動けるようになって。
最初は「自分がどんな患者さんを診ているか、何が起きているかもわからないパニック状態だった」のが、冷静に患者さんを診られるようになり、「自分でできるかもっていう自信がついてきた」。その心理状態に持っていくまでに、およそ8ヶ月かかった。
ある日、心肺停止の患者さんが来た。上の先生が側にいる状況ながら、自らの主導で判断し、動き、患者さんの心拍が再開し状態を安定させるに至った。初期研修2年目の5月のことだった。医者になってからのこの2年間で、いちばん嬉しかった。
新しい刺激を求めて
岐阜大学医学部出身。岐阜市内の病院に入職すれば、周りもほとんど同じ岐大出身者になる。中部国際医療センターを選んだのには、ここが全国の様々な大学から人が集まってくる病院で、そのことが自分にとって新しい刺激になるだろうと思えたのが一つの理由だった。そして今、岐阜、愛知をはじめ、北海道や宮崎からやってきた研修医たちと一緒に仕事している。
新しい刺激といえば、大学時に一年休学して海外留学をしたことがある。そのときつけた英語力を生かし、在学中にUSMLE(米国医師国家試験)のSTEP1に合格した。
「自分で決めたことを曲げるのがすごく嫌いで。忙しくて疲れちゃったから勉強ができなくなってしまったとか、僕はそういうの、すごく嫌。その試験をとるって決めたら最後までやり通したい。そこは譲りたくないというか」
そんな気質からか、初期研修2年目の2020年1月には、STEP2 CK にアメリカ人の平均合格点以上の成績で合格。同年2月にはハワイ大学小児科で海外研修も行った。
趣味は旅行。海外旅行が多い。在学中にバックパックで世界一周をし、フィリピンにはかれこれ5年連続で行っている。ローカルなご飯食べたり、地元の電車に乗ったり、現地に浸かるタイプの旅行が好き。
INTERVIEW
松浦 有佑
MATSUURA YUUSUKE
中部国際医療センター 初期臨床研修医
7:30 | 出勤 |
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7:30〜9:30 | 病棟回診。 患者さんの様子や検査データから状態や、現在の治療のアセスメント上級医と決定します。 |
9:30〜13:00 | 外来。 患者さんの予診や、採血などの手技も行います。 |
13:00〜13:30 | 昼休み。 |
13:30〜14:30 | 午後回診 |
14:30〜16:30 | 専門外来の見学や、救急当番を行います。時間がある時は自分の症例に関して文献などを読みながら見識を深めます。 |
16:30〜17:00 | 申し送り |
17:00〜18:30 | 今日1日で学んだことを復習したり、新しい入院患者のカルテ作成などを行います。 |
18:80 | 帰宅 |