理工学部から医学部へ
中学三年の時に盲腸の手術をし、医者になりたいと思ったことがあった。しかし「医者は大変」というイメージが拭えず、高校卒業後は慶応大学の理工学部に進学した。
ほどなく曽祖母が亡くなり、葬儀のため地元に帰った。葬儀に出ること自体が初めてだった。「今まで生きてた人が死んだ。それを自分が目の当たりにしていること」に大きなインパクトを受けた。
葬儀の後、予備校に入り医学部受験を目指した。翌年、岐阜大学の医学部に合格した。
数分、数秒で転じる変化の中で。
後期研修では内科を専攻し、中でもハードな循環器内科を選んだ。
「循環器内科は、研修医が当直や救急外来をやるんですけど、そこで患者さんが亡くなられてしまうケースもあって。数分、数秒で変わっていくその変化の中で、自分がその命を救える。そこに魅力を感じて選びました」と話す。
研修3年目。主治医を持つようになり、自分の判断で動く場面が多くなった。心停止状態で搬送されてきた患者を、みずからの現場判断により蘇生させたことがあった。
「その患者さんが、そのあと退院されてまた元気に歩いて来られたときは、ほんと嬉しかったですね」
人と距離の近い医療を
「生まれが高山の清見っていうすごい田舎で。街中まで行こうと思うと車で40分、50分かかる。そういうところだと医者一人で全部なんでも診るのが当たり前で、僕自身もそういう環境の中で育ってきたわけです」
だから将来は、循環器内科としてカテーテル治療もやりつつ、「内科医としてトータルに診ることができる人になりたい」と考えている。
医師としていずれ高山に戻るのかどうか、そこはまだわからない。
「どこでやるにしろ、人と距離の近い地域医療をやっていきたいという思いはあります。それはこの病院を研修先に選んだ理由でもあるんですけど、やっぱり人と関われる、その人の近くでやれる医療っていうのがいいなと思ってます」
趣味はギターを弾くこと。学生時代は軽音楽部だった。ガンズ・アンド・ローゼズ、東京事変が好き。
モットーは「今できることは今やっておこう」。後悔しないように生きることを大切にしている。
INTERVIEW
芝原 太郎
SHIBAHARA TARO
中部国際医療センター 後期臨床研修医
7:30 | 出勤 |
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7:30〜9:00 | 病棟回診。 担当している入院患者さんの一晩の状況を診ます。 |
9:00〜14:30 | 外来診療 |
14:30〜15:30 | 昼休み |
15:30〜17:00 | カンファレンス。 3つのカンファレンスに出席。新患のカルテを見て治療方針についての話し合い、カテーテル治療についての話し合い、外科と合同での話し合いなど。 |
17:00〜17:30 | ICU回診。 ICU(集中治療室)にいる循環器内科の患者さんを全員で診に行きます。 |
17:30〜18:30 | 病棟業務。 明日の治療指示などをします。 |
18:30〜20:00 | 後期研修医のレポート作成、自己学習。 |
20:00〜 | 同じ科の先輩と飲みに行く。 |