がんゲノム診断・診療センター
がんゲノム診断・診療センター
がんと診断された方々へ。がんゲノム診断・診療センターは、がん治療において遺伝子情報を重要な情報と考え、がんゲノム診断を治療に生かす仕組みを先進的に構築してきました。2017年には「がんゲノム医療外来」を開設し、慶應義塾大学病院と連携して、一度に複数の遺伝子変化を調べられる「プレシジョン検査」を全国で3番目に導入。2018年には、厚生労働省より「がんゲノム医療連携病院」の指定を受けました。
がんゲノム診断では、通常の抗がん剤以外に、その患者様に有効な抗がん剤の有無を探しだすことが可能です。そのため、通常のがん薬物療法が難しくなった方を対象に、「がん遺伝子パネル検査」を行います。
なお、中部国際医療センターでがんの手術を受けられる場合には、必要性に応じて患者様のご負担なく「がん遺伝子パネル検査」 を行うことができますので、ご相談下さい。
医師紹介
外来担当医
診断担当医
検査受診で役立つこと
- 患者様のがん細胞に見られる遺伝子の異常が明らかとなり、がんの個性(原因)が分かります。
- 治療効果が期待できる国内で承認済みの治療薬の情報が得られます。
- 治療効果が期待できる国内で臨床試験(治験等)中の治療薬の情報が得られます。
- 治療効果が期待できる国内未承認、海外で承認済みあるいは臨床試験(治験等)中の治療薬の情報が得られます。
網羅的ながん遺伝子解析とは?
慶應義塾大学病院 腫瘍センター
ゲノム医療ユニットと連携して実施する
がん遺伝子解析技術
現在「がん」は発症臓器に基づいて分類され、治療法の選択が行われています。しかし近年の研究により、「がん」は様々な遺伝子の異常が積み重なることで発症し、その遺伝子の異常は個々の患者様ごとに異なることが判ってきました。すなわち、同じ胃がんでも人によって異なっています。現在その遺伝子の異常を標的とした治療薬(分子標的治療薬)が日常臨床で使われています。ところが現在日常診療の中で行われている遺伝子検査は、そのごく一部しか調べることが出来ません。そこで網羅的がん遺伝子解析では、患者様のがんの診断や治療に役立つ情報を得るために、一度に複数の遺伝子変化を調べる最新の解析技術を用いて検査を行います。その結果ご自分のがんの原因遺伝子が何かを知ることができます。こうした検査の結果で推奨される薬剤には、保険診療が適用される一般の抗がん剤や分子標的治療薬に加えて、現在臨床研究中(治験中)の薬剤や保険適応外の多種多数の薬剤が含まれます。
がん遺伝子パネル検査について
当院で可能ながん遺伝子パネル検査
2020年1月1日 現在
概 要 | 保険診療における がん遺伝子パネル検査 (NCCオンコパネル) | PleSSision-Standard ※2023年4月より 一時休止します。 | PleSSision-Repid | PleSSision-Exome(1万人がんゲノムデータベースプロジェクト参加の場合) |
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保険/自費 | 保険診療 | 自費診療 | -- | -- |
遺伝子数 | 114遺伝子 +12融合遺伝子 | 160遺伝子 | 160遺伝子 | 19,296遺伝子 |
患者様負担※1 | 自己負担3割の場合: 168,000円 (保険請求560,000円) | 489,500円* (税込) | な し | な し |
適 応 |
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以下のいずれにも該当する患者様※2
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診察料を除く
NCCオンコパネルの適応原文:本検査は、標準治療がない固形がん患者様又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者様(終了が見込まれる者を含む)であって、関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき、全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した者に対して実施する場合に限り算定できる
標準治療がない(原発不明癌・希少癌)または標準治療が終了している(終了見込み)の方
●適応判断
全てYESの場合は青の矢印➡、1つでもNOの場合は赤の矢印➡へ
患者様ご負担なしのRapid-Neo検査とは
主治医が検査を有用と判断し、また、患者様から同意していただいた上で、手術により切除された組織の一部をご提供いただき、腫瘍に関連する複数の遺伝子の発現や変異と腫瘍の性状との関連性を調べます。このことで、病気の特性を明らかにして、その後の治療に活用できる可能性があります。また、より精度の高い病理・遺伝子診断法の開発や、個別化治療の促進に役立てることも目的としています。これから当院で手術を受ける方は患者様のご負担なしで、網羅的がん遺伝子検査Rapid-Neoが行えます。
- 対象となる方
- 当院でがん(悪性固形腫瘍)の手術を受けられる20歳以上の方で、がん遺伝子パネル検査が有用と主治医が判断した方
- 検査の流れ
- 手術前に主治医からご説明し、同意文書に署名、提出していただきます。
- 手術等で採取された組織のをサンプルとして院内の遺伝子検査室で解析します。
- 結果はその後の治療に活用できる場合があります。
お問い合わせ先
中部国際医療センター 地域連携課
〒505-8510 岐阜県美濃加茂市 健康のまち一丁目1番地
- 受付時間
- 月曜日〜土曜日 / 8:30〜17:00(祝祭日を除く)
- TEL
- 0574-66-1580
- FAX
- 0574-66-1581
● 医療機関の方へ
検査に関する資料をご希望の場合には、上記までご連絡ください。
郵送、あるいはFAXにて資料を送付いたします。
プレシジョン検査費用について
※PleSSision-Standardは2023年4月より一時休止します。
- 網羅的がん遺伝子検査・プレシジョン検査は、保険診療の対象外の自費診療となるため、患者様ご自身に費用の全額をご負担いただきます。
- 検査のための外来受診日(検査の申込み、及び結果説明の日)は、当院でのがん治療に関わる診療は全て自費診療となります。従って、現在、当院に入院中の患者様は受診することが出来ません。
- 検査後の治療費は含まれていません。検査の結果を元に治療を行う場合には、主治医と相談の上、実施することになりますが、保険外治療の場合には治療費が高額となる可能性があります。詳細は、「がんゲノム診断・診療センター」の担当医にお尋ねください。
- 検査の説明を受けた結果、検査を行わない場合(保留を含む)には、セカンドオピニオン外来の受診料のみ[33,000円(税込)]となります。
- 検査を申し込む場合には、当日に費用の全額のお支払(現金、またはクレジットカード可)が必要となります。
- クレジットカード払いの場合には、PIN(暗証番号)が必要となります。
【プレシジョン検査の区分別費用】
区分 | 料金(税込) |
---|---|
プレシジョン検査費用 ① | 489,500円 |
外来費用 ② | 11,000円 |
合計(①+②) | 500,500円 |
検査中止時の費用 (病理品質検査後中止の場合) | 187,000円 【返金額】302,500円 |
検査中止時の費用 (ライブラリ作製後中止の場合) | 261,800円 【返金額】227,700円 |
検査説明のみの費用 | 33,000円 |
2019年10月1日現在
使用する組織検体の状態によっては、検査が実施出来ない場合があります。その場合でも、病理診断医による検体の品質確認に要した費用を含め外来費用[33,000円(税込)]がかかりますので、ご了承ください。
予期せぬ機械の故障など、検査会社側の事由による解析の中止の場合には、外来費用の[11,000円(税込)]を差し引いた金額をお返し致します。
その他、複数の免責事項があります。詳しくは担当医にお尋ねください。
表示金額はすべて税込金額です。
クレジットカード払いの場合には、PIN(暗証番号)が必要となります。
本検査費用のお支払いには、「がんゲノム医療対応型保険(自由診療保険)メディコム」(セコム損害保険株式会社)を利用することができます。
外来の予約について
がんゲノム医療外来の予約
プレシジョン検査 受診の際に必要なもの
(NCCオンコパネルの場合は別でご案内します)
- 核酸抽出検査を行うための手術・生検時の病理検体が必要となりますので、ご準備の上、予約日7日前までに当院へ送付もしくは持参ください。
- 外来受診の際、現在までのがん診療に関する「診療情報提供書」「病理診断書の最終報告書コピー(手術材料の場合、該当するブロックが記載されている切り出し図コピー)」が必須となりますので、ご準備願います。
医療機関の方へ
ご提供いただく診療情報
- 核臨床経過
がん診療に関する臨床経過をできる限り詳細に記載ください。
手術、化学療法(レジメン)、放射線治療の施行日、及び期間 - 疾患名(Stage)、原発巣、病理診断名、現病変、検体採取部位、検体の種類
- 家族歴の有無、有の場合はがんの種類(記載例 父 胃がん 70歳代)
- 未施行の保険承認内治療
- 病理診断書の最終報告書コピー
ご用意いただく病理検体
病理組織標本のブロック(※)をお貸しください。当院で薄切を行い、検査終了後に返却させていただきます。また、ブロックをお貸しいただけない場合は、お手数ですが下記のような検体をご準備願います。
複数のブロックがある場合は、腫瘍量の最も多いブロックでお願いします。
【生検組織の場合】
- HE標本 1枚、未染色標本 4枚(厚さ5㎛:病理組織像の確認に使用)
※免疫染色用コートガラスを使用してください。 - パラフィンロール(DNA抽出用)
パラフィンロールは、厚さ10㎛で5~6枚、まとめてチューブに入れてください。
【手術材料の場合】
手術材料とは、5×5㎜以上の大きさの検体を指します。
- HE標本 1枚、未染色標本 4枚(厚さ5㎛:病理組織像の確認に使用)
※免疫染色用コートガラスを使用してください。 - 未染色標本 5枚(厚さ10㎛:DNA抽出に使用)
※ノンコートガラスを使用してください。
提供に当たって必要な消耗品・送付費用につきましては、患者様もしくは紹介元医療機関にてご負担ください。
病理検体が無い場合につきましては、当院の医師と検体採取等、別途受診の上ご相談ください。
その他、病理検体の選定や送付に際しまして何かご不明な点がございましたら、担当までご連絡ください。
検査の流れについて
1.「がんゲノム医療外来」の予約の申し込み
- 現在治療を担当している主治医と相談して、「がん遺伝子パネル検査」の予約を申し込み、主治医へがんに関わる診療情報、検査に使用する病理標本の準備を依頼してください。
- 現在の主治医と相談できない場合は、当院の該当診療科で診察を受け、「がんゲノム医療外来」の予約をしてください。
2.病理標本を送付し、指定日時に外来を受診
- 外来予約日の7日前までに病理標本を送付(もしくは持参)の上、指定された日時に外来を受診してください。
- 検査の説明を受けた後、同意書に署名し、検査料金をお支払いください。(現金またはクレジットカード)
- 検査によっては採血があります。
3.病理検体・採血の結果から検査の可否を判断し、検査を実施
- 提出された病理標本を病理専門医が評価し検査の可否を判断します。
- 病理組織および採取された血液からDNA(核酸)を抽出して品質を確認します。
- ライブラリを作製し、次世代シークエンサーにて網羅的がん遺伝子解析を実施し、解析報告書を作成します。
4.検査結果の説明・治療法の提案
- 専門家カンファレンス(エキスパートパネル)にて解析結果を検討し、推奨治療法を決定します。
- 当院の担当者から、結果説明外来の日時調整を連絡します。
- 外来にて遺伝子解析の結果と、その結果に基づく推奨治療法を提示します。
検査受診時の注意点(※必読)
- 本検査を利用しても、あなたのがんの診断や治療に有用な情報が何も得られない可能性があります。
- 本検査は、治療効果が期待できる治療薬の情報を提供しますが、その治療薬の治療効果を保証するものではありません。
- 本検査であなたのがん細胞で起こっている遺伝子変異に対して効果が期待される薬剤が見つかったとしても、あなたのがんに対して承認されていない(※)場合、薬剤の入手が出来ない、あるいは投与が出来ない可能性があります。また、治療費は自己負担となります。
「保険診療で使えない薬剤」または「他のがんや病気では保険診療で使えるが、あなたのがんでは使えない薬剤」を指します。
がんゲノム医療外来は、がんの治療・診断に関するセカンドオピニオン外来とは異なります。診断内容や治療方針について、専門医の意見や判断を希望される場合には、別途、セカンドオピニオン外来にお申し込みください。
検査後の治療について
- 現在、保険診療で認められている標準治療が行われている患者様は、その標準治療が優先され、遺伝子検査の結果に基づく治療は全ての標準治療が終了した後の選択肢として考慮されます。
- 遺伝子検査の結果、現在行われている治験に登録が可能と考えられた場合、その治験を実施している病院をご紹介します。
- 遺伝子検査の結果、効果が期待される薬剤の情報が得られた場合には、「適応外申請を行って自費診療で治療を行う 」、あるいは「先進医療実施病院を紹介して、自費診療と保険診療を並行して治療を行う」可能性が考えられます。 これらの場合、治療費が高額となります。
- 本遺伝子検査を実施しても、治療薬の選定に有用な情報が何も得られない可能性もあります。
- 遺伝子検査の結果に基づいて治療を行っても、十分な治療効果が得られない可能性もあります。
- がん遺伝子検査は、あくまで主治医の判断に必要な情報を提供するものであって、がん遺伝子解析の結果が、主治医の判断よりも優先されることはありません。
遺伝カウンセリング
当院では、「“がん”に関する遺伝(遺伝性腫瘍)」について遺伝カウンセリングを行っております。ご家系内にがんを発症された方が多く遺伝性のがんを心配されている方や、がんゲノム医療などでがんになりやすい体質である可能性を指摘された方、そのご家族などに対応しています。
遺伝カウンセリングとは、遺伝に関わる悩みや不安、疑問などを持たれている方々に、科学的根拠に基づく正確な医学的情報を分かりやすくお伝えし、理解していただけるようにお手伝いするものです。単に情報をお伝えするだけではなく、十分にお話をうかがい、抱えておられる悩みについて一緒に考え、ご本人の意思を尊重しながら、問題解決に向けて心理面や社会面も含めた支援を行います。
完全予約制 | |
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実施可能日 | 火曜14〜16時(1回約30〜60分) |
お問い合わせ方法 |
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医師紹介
公認心理師
認定遺伝カウンセラー
費用について
遺伝カウンセリングの費用
当院で保険適用のがんゲノムプロファイリング検査を受け、主治医より遺伝カウンセリングを勧められた方
遺伝性腫瘍カウンセリング加算(1,000点)に保険適用
例)3割負担の方で¥3,000(高額療養費の対象になります)
当院で保険適用の遺伝学的検査(BRCA1/2遺伝子検査など)を受け、主治医より遺伝カウンセリングを勧められた方
遺伝カウンセリング加算(1,000点)に保険適用
例)3割負担の方で¥3,000(高額療養費の対象になります)
上記以外の方
初回:¥11,000(税込) 2回目以降:¥5,500(税込)
いずれも全額自己負担(他の診察と同日にはできません)
遺伝学的検査の費用
遺伝カウンセリングの中でその方に合った検査をご提案します。対象遺伝子によって費用は異なりますので、検査費用についてもその時にご案内いたします。