臨床検査技術部
臨床検査技術部
臨床検査技術部では、24時間365日、緊急検査に対応し検査を行っています。中部国際医療センターとして新築移転し、検査室も新しく生まれ変わり検査システムや検査機器も更新され、微生物検査も新たに院内で行える検査体制を整え、迅速に対応しています。
臨床検査技師は、検体検査、採血、輸血検査、微生物検査、生理検査、病理検査、遺伝子検査などの業務を担っており、手術室や病棟などへも出向き様々な業務支援を行っており、患者様サービスの向上を目指しています。
検体検査室
検体検査では、迅速な検査結果が報告出来るように、様々な検査に対応する機器が設置されています。1日に外来採血約300件、病棟採血約200件分の検査を行っています。
血液・凝固線溶検査(貧血、炎症、止血)


生化学的検査及び免疫学的検査、血糖・ヘモグロビンA1C検査
(脂質、糖質、肝機能、腫瘍マーカー、抗体検査など)


一般検査(尿検査、便潜血など)

輸血検査室
輸血検査では、輸血用血液製剤の管理と供給、輸血関連検査、副作用への対応などの業務を行い、患者様に対して、治療効果と安全性を重視した迅速かつ適切な輸血が提供できるよう努めています。年間で1800パック程度の輸血が行われています。全自動輸血検査装置を使用して、血液型検査、不規則抗体検査、交差適合試験などの検査を行っています。

微生物検査室
細菌検査
提出された尿や痰、便、血液などといった検体より人体に病原性のある細菌を検出する検査を行います。当院では質量分析装置(MALDI Biotyper sirius)を用いて培地に発育した細菌コロニーより迅速に検出することができます。また、検出された細菌に対して抗生物質がどれくらい有効であるかといったことも調べます。


薬剤感受性分析装置 薬剤感受性分析装置
ウイルス検査
当院では新型コロナウイルス等のウイルス検査の抗原定量および遺伝子検査を積極的に行っております。

免疫測定装置

遺伝子検査装置
採血採尿室
採血室では、1日300人程の採血を行っています。自動受付機や番号表示による患者様案内と、採血支援システムを導入した採血台6台を使用し、安心・安全な採血を受けていただけます。
自動採血・採尿受付機、採血支援システムを導入した採血台

生理検査室
生理検査は、患者様の身体機能を検査する為、安心して検査を受けて頂けるよう努めています。当検査室では主に心電図検査、心臓超音波検査、呼吸機能検査、神経検査などを行っています。
心電図検査
12誘導心電図、マスター負荷心電図、心室遅延電位、ホルター心電図など

心電図

血圧脈波検査
心臓超音波検査
心臓超音波、心臓負荷エコー、経食道エコー

心臓超音波検査
呼吸機能検査
肺機能検査、精密肺機能、呼気NO測定、終夜睡眠ポリグラフ検査、心肺運動負荷試験など

肺機能検査

心肺運動負荷検査
神経検査
神経伝導検査、脳波検査、聴性脳幹反応など

神経伝導検査

脳波検査
その他にも、血圧脈波検査、血管内皮機能検査、耳鼻科領域の検査(聴力検査、語音検査、前庭誘発筋電位、歪成分耳音響放射など)、重心動揺計なども行っています。
病理検査室
病理検査とは
血液検査や画像診断などによる臨床診断の際、生体材料を採取することがありますが、これは顕微鏡的観察により「病的状態が存在するか否か」「病的状態があるとすれば、どんな性格ものか」を臨床情報との総合的評価により明らかにする検査です。この診断を基に臨床医は、治療方針の決定や臨床診断の最終確認を行うことになります。病理検査室では組織学的検査、細胞診検査、病理解剖が行われています。
組織学的検査
生検と手術材料を対象とします。生検は検査目的で胃、腸、前立腺などの一部を採取されたものをいい、主に良性か悪性かの判定を行います。手術材料は治療目的で採取されたものをいい、腫瘍の性状や広がりを調べます。また、手術中には切除範囲を決めるために、術中迅速診断が行われます。
臨床検査技師が顕微鏡標本を作製し病理医が病理組織診断を下します。
組織検査の検体処理
【1】切り出し
肉眼的観察を基に検体の必要な部分を選択し、適切な大きさに切り取ります。
【2】パラフィン包埋
パラフィンという蝋で、組織を適切な硬さに固めます。
【3】薄切
ミクロトームという器械を使い、パラフィンで固めた検体を、顕微鏡で観察しやすい厚さ(3μm)に切ります。
【4】染色
薄切した標本をHE染色という染色方法で染めます。HE染色は核を紫色に、細胞質を赤~桃色に染めます。
【5】診断
完成した標本を病理医が顕微鏡で観察し、診断を下します。

細胞診検査
婦人科、泌尿器、乳腺、甲状腺などから得られた標本を細胞検査士と病理医が顕微鏡で観察し、悪性細胞の検索を行います。

病理解剖
不幸にして亡くなられた患者様のご遺体を、家族の同意のもとで病理解剖させていただき、生前の臨床診断や治療効果を、病理医が客観的に判定し、今後の診療に生かすことを目的としています。
病理検査室のスタッフは、常勤病理医3名、非常勤病理医2名と臨床検査技師6名(細胞検査士3名)により運営しています。
遺伝子検査室
当院の中部がんゲノム医療研究センターへ、臨床検査技師3名が配属されています。病理検査室と協力し、FFPE標本(がん組織)からのDNA抽出、電気泳動やリアルタイムPCRを用いたDNAの品質評価、Libraryの作成及び次世代シークエンサーによる配列解析を行っています。その後、三菱スペース・ソフトウェア社による解析結果をもとに、エキスパートパネル(多職種カンファレンス)の一員として検討し、患者様に合った治療薬が届けられるよう迅速・的確な検査データ提供を心掛けています。