脳神経外科
脳神経外科
くも膜下出血・脳出血・脳梗塞などの脳血管障害や、脳腫瘍および頭部外傷など、外科的治療を要する脳神経疾患を中心に診療を行っています。緊急性の高い脳血管障害に対しては、救急部とも連携しながら、できる限り迅速に専門的治療を行います。一方、脳腫瘍に対しては、高度医療機器を駆使することにより、先進性の高い医療を提供しています。さらに脳腫瘍に対し、放射線治療科とも連携し、適応を慎重に判断しながら定位的放射線治療を行います。複数のてんかん専門医が在籍しており、薬物療法・外科的治療を駆使した難治性てんかんに対する診療を行っています。ほかにも低髄液圧症候群、正常圧水頭症など、外科的治療の対象となりうる疾患に対し、積極的に診療を行っています。
入院時より、看護部・病診連携部等のパラメディカルと協力し合い、患者様が安心して入院生活が送れるよう努めています。退院時は療養型病院・施設・診療所等との連携をすすめ、患者様の社会復帰や家庭復帰を支援しています。
医師紹介
主な対象疾患
くも膜下出血・脳出血・脳梗塞などの脳血管障害や、脳腫瘍および頭部外傷など、外科的治療を要する脳神経疾患を中心に診療を行っています。緊急性の高い脳血管障害に対しては、できる限り迅速に治療を行い、脳腫瘍に対しては、定位的放射線治療を含めた先進性の高い医療を提供しています。ほかにも難治性てんかん、低髄液圧症候群、正常圧水頭症など、外科的治療の対象となりうる疾患に対し、積極的に診療を行っています。
主な検査・設備
- MRI(3T、1.5T)
- CT(320列MDCT、MDCT)
- DSA
- ナビゲーションシステム
- レクセル定位脳手術装置
パーキンソン病の治療
脳内の神経細胞間の連絡をする神経伝達物質の一つであるドパミンが徐々に減少することにより、神経細胞の機能が失われ身体の動きのバランスが崩れてゆく病気です。
主な症状(運動の異常)
- 手足の震え(振戦)
- 歩行障害
- 動作がのろい
- 顔の表情が乏しい
- からだや手足が硬い
治療(治療によって症状の改善が得られます。)
- 薬物治療が第一選択されるべき治療です。
- 薬物治療で症状が抑制できない場合に外科的治療(手術)を行います。(外科的治療はパーキンソン病を治す治療ではなく、症状を抑制する治療)
外科的治療(手術)=脳深部刺激療法
脳に細い電極を入れ、脳に電気信号を送ることで運動の異常を調節する治療方法。脳深部刺激療法は、日本においては、平成12年4月から医療保険の適応になっており、現在1年間に300人以上の患者様が治療を受けています。脳深部刺激療法では下図のような装置を体内に埋め込みます。
当院では平成17年より
脳深部刺激療法(手術)を行っています。
手術の詳しい説明をご希望の方は、
お気軽に脳神経外科を受診してください。
手術の流れ
- 1. 定位脳手術装置(ステレオフレーム)を取り付ける
脳に細い電極を入れ、脳に電気信号を送ることで運動の異常を調節する治療方法。脳深部刺激療法は、日本においては、平成12年4月から医療保険の適応になっており、現在1年間に300人以上の患者様が治療を受けています。
- 2. ターゲットの位置を確認する
ステレオフレームをいったん固定したら、磁気共鳴画像装置(MRI)、コンピュータ断層撮影装置(CT)又はその他の装置を使用して脳の写真を撮影します。 この写真画像を使って、脳神経外科の先生は、患者様の脳内のターゲットを正確に測定します。
- 3. リードを挿入する
脳神経外科の先生は、局所麻酔をかけて頭蓋骨に一円硬貨ほどの小さな穴をあけます。穴をあけるときに少し圧迫感を感じるかもしれません。その後、脳神経外科の先生は細いリードをターゲットに挿入しますが、このときは痛みを感じることはありません。
- 4. テスト刺激を行う
テスト刺激によって、振戦をコントロールできない場合や副作用が軽減できない場合は、リードは取り除かれ、手術を中止することになります。この場合はパルス発生器の植込みは行われません。
- 5. パルス発生器の植込み
テスト刺激で十分な効果が確認できた場合は、延長用リード(エクステンション)およびパルス発生器を体内に植込みます。この手術は、リードの植込みと同時に、もしくは数日後に実施されます。 この手術では一般的に全身麻酔が行われます。(患者様は完全に眠ってしまいます。)この手術ではリードをしっかり固定し、パルス発生器を前胸部の鎖骨下付近に植込みます。リードとパルス発生器は延長用リードでつながれます。これらはすべて皮下に植込まれます。
診療実績
【 入院患者数 】
入院患者数(内訳)
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
脳腫瘍 | グリオーマ | 18 | 21 | 21 | 14 | 13 |
非グリオーマ | 36 | 30 | 30 | 30 | 49 | |
その他 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | |
計 | 54 | 53 | 51 | 44 | 63 | |
脳血管障害 | 虚血性病変 | 269 | 268 | 217 | 318 | 323 |
出血性病変 | ||||||
・脳出血 | 89 | 90 | 79 | 109 | 97 | |
・くも膜下出血、脳動脈瘤 | 38 | 45 | 25 | 42 | 46 | |
・脳動静脈奇形 | 7 | 2 | 2 | 9 | 6 | |
その他 | 8 | 15 | 3 | 6 | 3 | |
計 | 411 | 412 | 326 | 484 | 475 | |
頭部外傷 | 頭部外傷1,2型 | 19 | 19 | 14 | 17 | 11 |
慢性硬膜血腫 | 53 | 62 | 50 | 68 | 51 | |
急性硬膜外、下血腫 | 25 | 35 | 19 | 33 | 29 | |
外傷性くも膜下出血 | 16 | 18 | 20 | 18 | 20 | |
脳挫傷 | 12 | 20 | 13 | 20 | 22 | |
その他 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | |
計 | 125 | 155 | 116 | 156 | 133 | |
その他 | 水頭症 | 6 | 2 | 4 | 8 | 24 |
感染性疾患 | 2 | 2 | 5 | 4 | 7 | |
機能的脳疾患 | 64 | 58 | 50 | 51 | 49 | |
神経内科疾患 | 4 | 3 | 6 | 5 | 6 | |
脊椎脊髄疾患 | 0 | 0 | 1 | 2 | 5 | |
その他 | 10 | 18 | 3 | 1 | 5 | |
総計 | 676 | 703 | 562 | 755 | 767 |
【 手術症例数 】
手術症例数(内訳)
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
脳腫瘍 | 開頭腫瘍摘出術 | 18 | 14 | 14 | 14 | 21 |
経鼻的腫瘍摘出術 | 0 | 0 | 4 | 1 | 6 | |
その他 | 0 | 1 | 2 | 1 | 4 | |
計 | 18 | 15 | 20 | 16 | 31 | |
脳血管障害 | 脳動脈瘤クリッピング術 | 6 | 8 | 5 | 11 | 7 |
脳内血腫除去術 | 3 | 2 | 1 | 2 | 5 | |
頸動脈内膜剥離術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | |
脳血管バイパス術 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | |
脳血管内手術 | ||||||
・脳動脈瘤コイル塞栓術 | 10 | 28 | 9 | 20 | 30 | |
・その他の塞栓術 | 3 | 3 | 2 | 7 | 8 | |
・頸動脈ステント留置術 | 6 | 9 | 10 | 15 | 25 | |
・血栓回収療法 | 1 | 4 | 1 | 9 | 11 | |
その他 | 0 | 0 | 0 | 0 | 9 | |
計 | 29 | 54 | 28 | 65 | 99 | |
頭部外傷 | 慢性硬膜下血腫摘出術 | 48 | 63 | 47 | 69 | 55 |
脳挫傷に対する手術 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | |
頭蓋内出血に対する手術 | 5 | 4 | 2 | 2 | 1 | |
計 | 53 | 68 | 50 | 71 | 56 | |
その他 | 水頭症に対する治療 | |||||
・脳室腹腔短絡術 | 9 | 2 | 3 | 6 | 11 | |
・第三脳室底開窓術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | |
・脳室ドレナージ術 | 1 | 1 | 1 | 1 | 10 | |
機能的外科治療 | ||||||
・微小血管減圧術 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | |
・脳深部刺激療法 | 0 | 1 | 0 | 2 | 1 | |
・ジェネレーター交換術 | 2 | 3 | 3 | 2 | 4 | |
・迷走神経刺激療法 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | |
脳膿瘍摘出術 | 0 | 1 | 2 | 3 | 0 | |
その他 | 1 | 5 | 1 | 5 | 4 | |
総計 | 115 | 151 | 109 | 173 | 219 |