320列CT
320列CT
検出器が従来の5倍「320列」に増え、撮影範囲も16cmとワイドなったことで短時間かつ広範囲で撮影可能に。
心疾患の検査で威力を発揮します。
対象疾患
- 脳動脈瘤 / くも膜下出血 / 脳梗塞 / 狭心症 / 心筋梗塞 など
320列CTの特徴
鼓動する心臓もズレなく鮮明に
これまでの64列CTでは、一度に撮影できる幅が2~3cmと限られていました。そのため臓器を撮影する場合は、検出器をらせん状に回転させて部分ごとに写真を撮り、その後画像を合成する手間が必要でした。
しかし、今回導入したCTは検出器が従来の5倍「320列」に増え、撮影範囲も16cmとワイドに。心臓や脳の全体像もわずか1回転・約1秒で撮影。拍動する心臓でも、今までのようにズレることなく高精細にとらえることができます。
血流などの機能診断も可能に
広範囲をタイムラグなしで撮影できる320列CTは、単に従来のCT画像の精度を高めるだけでなく、まったく新しい画像診断の可能性も広げています。
例えば、これまでのCTでは困難だった機能診断。
320列CTでは、連続撮影した臓器の画像を時系列に並べることにより、血流や臓器の動きの診断も可能に。整形外科の分野でも、関節の動きなどの動態情報が得られます。空間3次元に時間を加えた「4次元のCT」として、さまざまな臨床応用への期待が寄せられています。
期待に応える320列CTの可能性
心臓撮影がわずか1秒で完了
これまでは7、8秒かかっていた心臓の撮影時間も、320列CTならわずか1秒程度に短縮。
検査による造影剤の投与量や放射線被ばくも減らすことができ、身体への負担を軽減しながら検査が行えます。
カテーテル検査の入院が不要に
現在、心臓カテーテル検査は1泊2日の入院が必要ですが、320列CTなら約1時間の通院で検査が完了。体内にカテーテルを挿入する負担もなく、一瞬で臓器の状態を把握。
治療をすぐに始められるメリットもあります。
救急医療の検査時間を短縮
脳梗塞や心筋梗塞など重大疾患の検査を行う際、従来は複数の診断機器による検査を要し、すぐ治療に入れないケースもありました。
320列CTは、一度で形態・機能情報を収集できるため、救急医療にも貢献します。